2011年11月15日

阿波踊りの起源は傾奇者にあり!

今日は、阿波踊り界でもあまり語られていない、阿波踊りの起源について掘り下げようと思う。阿波踊りをやってる方、起源を知らない方、知ってるつもりだけども詳しくはわからない方はぜひ最後まで読んでほしい。

道を練り歩く現代の阿波踊りのイメージは、「ぞめき踊り」と呼ばれ盆踊りが起源である。これは盆に迎え火を焚いてその周りを踊った精流踊りから始まったそうだ。
阿波踊りの最古の絵として有名な「阿波盆踊図」も、このぞめき踊りを描いたものである。画家・鈴木芙蓉がそれを描いたのは寛政8年1796年頃。しかし、その遥か前から、阿波踊りは存在したのだ。

ぞめき踊りよりも前に大規模な勢力があったのは「組踊り」と呼ばれている阿波踊りである。この踊りは中世に京都などで人気を博していた風流踊りを継承するものだそうだ。
天正6年1578年の盂蘭盆には、京都から風流の芸能集団を招いた記録があり、豪華絢爛で相当な人気があったようだ。

よく阿波踊りの起源を「徳島城築城の時に無礼講が許されて、それから踊られるようになった」というが、徳島城築城は天正13年1585年のことで、城下の民衆が踊ったのはこの組踊りで、ぞめき踊りではない。

つまり、この組踊りをまず深く知る事が阿波踊りの起源を知る第一歩になると思う。

組踊りとは、100から120人ほどの大規模な踊りで、華麗な衣裳や持物で観衆の眼をひきつけ、幻想の世界に人びとを誘うことを狙った贅をつくした踊りであったそうだ。もちろん現在の阿波踊りとは全く違うものであった。とにかく豪華絢爛、派手で大規模だったようだ。

この組踊りの精神を深く知るには、その時代背景を少し知る必要がある。

当時、江戸や京都では「傾奇者(かぶきもの)」が大流行していた。
傾奇者とは、戦国時代末期から江戸時代初期にかけて、特に慶長から寛永(1596〜1643)に、江戸や京都などの都市部で流行した社会風潮である。異風を好み、派手な身なりをして、常識を逸脱した行動に走ることを「傾く」と呼んだ。

時代的にも、傾奇者の流行と組踊りの始まりは一致していて、傾く精神が風流踊りなどで阿波藩にも伝わり、武家奉公人や庶民に広まったと考えていいと思う。特に、徳島城が築城された1585年頃は、傾奇者の一番のピークだったと言える。

当時男性の着物は浅黄や紺など非常に地味な色合いが普通だった。しかし、傾奇者は色鮮やかな女物の着物をマントのように羽織ったり、袴に動物皮をつぎはうなど常識を無視して非常に派手な服装を好んだ。これもまた組踊りの豪華絢爛さと一致する。

こうした身なりや行動は、世間の常識や権力・秩序への反発・反骨の表現としての意味合いがあったようだ。
傾奇者達は、仲間同士の結束と信義を重んじ、命を惜しまない気概と生き方の美学を持っていた。その男伊達な生き方が共感と賞賛を得てもいた。

傾奇者の精神は「義」を重んじることであった。「義」とは「我の美」と書く。常識や世間体ではなく、真の自分自身の美に忠実に生きること、その生き様が傾奇者であり、阿波踊りの精神の起源である。

傾奇者の精神は、天下の傾奇者と呼ばれた前田慶次郎の伝記漫画「花の慶次〜雲の彼方に〜」で少し垣間見る事ができる。興味がある方は読んで頂きたい。

傾奇者の精神は、一方で「歌舞伎」として受け継がれ、もう一方では「阿波踊り」として受け継がれていった。それはやはりその生き様が、現代でも全く色褪せないほど格好良かったからだろう。

だからこそこれからも、己の美を命がけで貫いた「傾く」という精神を、なんとしても未来に受け継いでいきたい。

阿波踊りは、ただの娯楽ではない。阿波踊りという名の生き様である。表面的な動きばかりをなぞって、「阿波踊りっぽいもの」をすることは断じて阿波踊りではない。

寶船はこれからも、ぶれる事なく、「義」の心を忘れぬように踊っていくつもりである。




以上、寶船の渉でした!



また別の機会に、もう一つの阿波踊り、俄踊りについても話せたらいいなと思っているので、これからも愛読お願いします。

(年号などはWikipediaを参照)
posted by 創作舞踊集団 寶船 at 18:24| Comment(1) | TrackBack(0) | 米澤 渉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
漫画 花の慶次 少し 読みました。おもしろいですね。漫画 映画も たくさん 見てきたので 馬の場面が あれに 似ているとか ビーバップハイスクールに 少し 似ているような そんな事思いながらかなり はまります。最高。前田慶次さんは 歴史的人物で 学校教育的には それほど有名ではないのかなぁ?昔 義経清盛 秀吉 信長 家康 龍馬新選組 アニメ 漫画で読んだナァ。伝記漫画で 松下幸之助 おもしろかったなぁ。真田幸村 柳生十兵衛 伊賀 甲賀〜 漫画同好会(名前検討中 花の慶次
Posted by 謎の村石太&小沢 at 2012年05月15日 22:09
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