2012年05月15日

最近見た映画の感想@

わたるです。
今週末はついにワンマン。寶船の新境地をぜひ見に来て下さい。

今日は最近見た映画の話をしたいと思います。

最近は、次回の公演の台本を考えなきゃいけないので、インスピレーションを湧かすためにも映画をよく見てます。
TSUTAYAが100円になったのも理由のひとつ。名作や話題作が100円で見れるなんて、すごい時代ですよね。好奇心さえあれば、美意識を豊かにするチャンスがたくさんあるのはいいことだと思います。


「SRサイタマノラッパー」
2009年、入江悠監督

日本のインディーズ映画では稀に見るスマッシュヒットで噂になった作品。埼玉の田舎町を舞台に、冴えない田舎者ラッパーの葛藤を描く。
現在この作品の3が公開中らしく、前から気になっていたので見た。
ヒップホップという題材を、ダサくてイタいという視点で描き、格好良さではないラップミュージックの本質が垣間見れる。主人公イックとトムのもどかしさは若者なら誰にでもあり、それを上手く「かっこ悪さ」として描いたことが最高。
長回しという手法は下手に使うと間伸びしダレるが、この作品におけるラストシーンの長回しは緊張感と実在感を見事に収めている。
生々しく痛々しいほどのどうしようもなさ、かっこ悪さ、それでもぶざまに希望にすがりつくイックとトムに涙する。
感動的な音楽もなし、演技も未熟、低予算で編集も荒い。しかしその切り口で見事に勝利した傑作。
格好良さや可愛さだけを基準に未来を求める若者にこそ見てもらいたい。


「レスラー」
2008年、ダーレン・アロノフスキー監督

栄光時代の全盛期を過ぎ、歳をとったプロレスラーの不器用な生き方を描いた作品。
主人公ランディを演じたミッキー・ロークの圧倒的なリアリティが凄まじい。この不器用で孤独になりながらもレスラーという道を選択する姿に、感情移入しないではいられない。
人間誰でも満れば欠ける。人は必ず歳をとる。その時、人生の着地をどのように迎えるか、誰しもそんなことを考えるだろう。
ランディの、背中で語る演技(文字通り、背中からのショットが多い)に、人間の儚さをみる。悲しいのではない。儚い。レスラーという、勝敗すらも決まっている業界で不器用にもがくランディは、どんな男の心にも必ずいる存在だと思う。
ダーレン・アロノフスキー監督は、「ブラック・スワン」もすごく良かった。しかし特殊な映像で心理描写を図ったブラック・スワンに対し、レスラーは直球勝負。ディテールと繊細な描写のみで見事にランディを収めている。僕としては、レスラーのミッキー・ロークの方が感情移入が強かった。震える作品。


「戦争のはらわた」
1977年、サム・ペキンパー監督

第二次世界大戦を舞台に、ドイツ軍のシュタイナーと部下たちの戦いを描く。
原題の直訳は「鉄十字勲章」。勲章に執着する上司のシュトランスキーと、主人公シュタイナーが対比的に描かれており、単なる反戦映画ではない。戦争をテーマにすると、題材からしてお涙頂戴的な映画になりやすいが、サム・ペキンパーは今でも斬新な描写で見事に傑作に仕上げた。
童謡「ちょうちょ」の明るい歌に乗せて、CGのない時代に今見ても驚くほど凄まじい迫力のアクションシーンが続く。スローモーションとリアリティのある描写、見事な編集で現代でも通用するほどの戦闘シーンになっている。
主演のシュタイナーを演じたジェームズ・コバーンのかっこいいこと!渋い!目力がすごい。
特に僕は、シュタイナーが病院に送られた際の、恐怖で幻覚が見えてしまうシーンが印象に残った。そしてラストのシュタイナーの行動。胸が熱くなった。
サム・ペキンパーはバイオレンス映画の巨匠と言われているが、「ビリー・ザ・キッド」や「ゲッタウェイ」など以外は知らなかったので、なるほどと思った。すごい監督だと思う。

バイオレンスという言葉に悪い印象を持つ人が多いが、「痛み」を描くということはすごく大切なことである。
銃をバンバン撃ったり、人が死ぬくせに「痛み」の伴わない作品は真の優しさに掛けている。スコセッシ、イーストウッド、フランク・ダラボン、スピルバーグ、ケン・ローチ、デビッド・フィンチャー、上記のダーレン・アロノフスキーも、北野武も黒澤明も、みんな「痛み」を描く天才。そしてサム・ペキンパーも。名作には痛みが伴うのだと思う。


映画の感想、思いのほか長くなるので、次回に続く。


わたるでした!



今週末のワンマン、よろしくお願いします。

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■公演名
創作舞踊集団 寶船
2012年 春公演「安らかなる選択」

■日時
・2012/05/19(土)夜の部
開場/開演 18:30 / 19:00

・2012/05/20(日)昼の部
開場/開演 11:30 / 12:00

■料金
2,000円(1drinkサービス付)

■会場
SARAVAH(サラヴァ)東京 
〒150-0046 東京都渋谷区松濤1-29-1 渋谷クロスロードビル B1

■お問い合わせ■
ご質問などありましたら、気軽にお問い合わせください。

創作舞踊集団 寶船(たからぶね)
http://takarabune.org/
Mail:info@takarabune.org
posted by 創作舞踊集団 寶船 at 23:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 米澤 渉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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