2011年11月22日

偉大な芸術は作れない

もの作りに関わる人なら誰でも「偉大な作品」を生み出すことを夢見ることはあるだろう。でも、「偉大な作品」「偉大な芸術」というものは芸術家がつくるものではないのかもしれない。

「偉大な芸術」が偉大であるのは、それが人々に与える感動や影響が芸術家との直接的つながりを遙かに超えたところに広く及ぶからだ。個人的に知っている人がすごいとほめてくれるだけではなく、見たことも会ったこともない人たちが、時代さえも超えてその作品に感動する。生み出した芸術家の意図を遙かに超えて、ある意味勝手にみんなが感動してしまうのだ。

そんな中で、芸術家は、一人の人間としてつかみうる自分自身を遙かに超えて大きくなってしまった影響力や名声に逆に押しつぶされそうになりながら、必死でがんばるのかもしれない。ビートルズしかり、イーグルスしかり。

芸術家はもの作りを通して何かを世にもたらしたり、問うたりしようとする。しかし、芸術家が作り出せるのはきっかけだけだ。結果として何が世にもたらされるのかは芸術家がコントロールできることではない。

だとすると、もの作りにおいて、歴史に名を残そうとかいう結果へのこだわりは迷走につながる。ただ自分の技を磨き、自分のなすべき事をなすのみ。

としひで
posted by 創作舞踊集団 寶船 at 00:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 中山 俊秀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月14日

「未来」

先月アップル社を創ったスティーブ・ジョブズがなくなった。56才。
本人の気持ちはわからないけれども、56年という物理的時間を遙かに超えた時を生き、世界を変えた。彼の周りを同じ時間が流れていたとは思えない。

新聞で、彼の功績を評して、「常に未来を先取る先見力があった」という意味のことがいわれていたが、これは違う。

むしろ、スティーブ・ジョブズが描いた「未来」に、皆がとりこになり引き込まれていったということだと思う。スティーブはそんなすてきな未来、みんなが惹きつけられる未来像を創り、売り込むカリスマを持っていた。だから皆スティーブが次々と提示する未来に飛びつき飛び込んでいった。

「未来を先取り」というと、あたかも予め決まった未来があって、スティーブは一足先にそれを見つける能力があったというように思えるが、そうではない。スティーブが「未来」を創り出したのだ。その想像力はすごい。

しかし、スティーブ・ジョブズが本当にすごいのは、その後だ。皆をその「未来」に引っ張り込むことで、結果として「皆の未来」を創りあげた。「未来」は皆の営みで創られるもの。一人だけがどんなにはっきりとした未来イメージを作り上げても、誰もその未来イメージにのらなかったら、それはただの「妄想」にすぎない。社会の人々がその未来イメージを自分の未来像として受け容れて動き出したとき、その未来イメージが「未来」となってできていく。

スティーブ・ジョブズの一番の偉業は「未来を先取り」したことではなく、いかした未来イメージを描いたことでもなく、皆を巻き込んで社会の未来を形作ったこと。

寶船の挑戦も、やり方さえ違ってはいるが、心は同じ。そんな気がする。

すてきな未来を作る船〜それが寶船。さあ、みんな、乗った,乗った!

(トッシーこと中山俊秀でした)
posted by 創作舞踊集団 寶船 at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 中山 俊秀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月07日

寶船の強み

寶船の個性はすごい。
今回のワンマンライブでは、出演者の人数が少なかったということもあり、見に来ていただいた方からも個性のきらめきがまぶしかったという感想を多くいただいた。

たとえば、今回のチラシの前面に大写しの陸くん。夏のストリートでも、ワンマンライブでも確実に観客の目を惹き、その登場にディズニーランドでミッキーを見つけたときのような興奮を覚えるファンも多いだろう。この陸くんは、いうまでもなく、寶船の宝、必要欠くべからざる要素である。

でも、陸くんは二人はいらない。

ていうか、二人いたら大変なことになる。

個人の「個性」や「才能」には強みと弱みが併存している。弱みのない個性などはない。「とがった個性」であればあるほど、度外れた強みと同時に度外れた弱みをもっている。同じ個性が二人いるということは、その強みだけでなく弱みも二倍に濃くなることになり、グループ全体の性質も偏り、固まってきてしまうだろう。

グループを構成する個性が多様であれば、いろいろな強みと弱みがバランスを取り合うし、様々な状況に対して異なった個性が強みを発揮して、臨機応変に効果的に対応できる。

寶船のもの作りでは、思いがけないおもしろさが常につくり出されている。そんな絶え間ない変容と成長は、多くの独特の個性同士をぶつけ絡み合わせる試みを続けることで維持されている。

寶船の真の強みは、一つ一つの個性そのものよりも、個性の多様性とそのぶつかり合いにある。

(トッシーこと、中山俊秀でした)
posted by 創作舞踊集団 寶船 at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 中山 俊秀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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